蕎麦屋の酒はうまい
そう教えてくれたのは「ソバ屋で憩う」の著者、杉浦日向子さんでした。あまりに突然の訃報に驚いています。心から故人のご冥福をお祈り致します。
杉浦さんの影響でソバ屋でお酒を飲むことを覚えたと言っても過言ではありません。以前「ソバ屋に憩う」に載っていた九段一茶庵にお邪魔して、湯豆腐で一杯やった時の感動は今でも忘れません。九段一茶庵は、焼き味噌、汲み上げ湯葉、鴨焼きなども美味しいのですが、出来立てのお豆腐を薦められた時に味わった熱々の湯豆腐のほのかな豆の香りと鉄瓶から注がれた日本酒のひんやりとしたノド越しの旨さは、まさに蕎麦屋でお酒を飲んで幸せだと実感させられた瞬間でした。久しく九段一茶庵には足を運んでいませんが、お店を入って右側の小上がりが好きでした。杉浦さんの面影を偲びながら、あの鉄瓶から注がれるお酒をじっくり味わってみたいと思います。そして最後はきっちりとせいろで〆て蕎麦湯を堪能してきます。
追伸、鞍馬も翁も焼き味噌だけで美味しいお酒が飲めて大好きです。さらしな乃里、香り家、くろ麦、更科堀井などなど「ソバ屋で憩う」をバイブルのようにしてソバ屋に通っていた時期がありました。もう、あの粋な着物姿をテレビで拝見することはないのですね。寂しいです。
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