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2005/03/28

シックスセンスと歯ブラシ

s-genbaそれは先週の土曜日のことでした。早朝ミーティングのため眠い目をこすりながら、いつものように会社に出かけようと朝の歯磨きを終えて、歯ブラシを洗面台のコップに入れようとすると歯ブラシの柄がコップの底に勢いよく当たって飛び出してしまいました。運の悪いことに歯ブラシが落ちた所は隣にある洗濯機の裏でした。仕方がないので洗濯機を動かして、やっとのことで歯ブラシを取り上げたのですが、急いで会社に行こうとする気持ちがあったためか、また歯ブラシを勢いよくコップに入れてしまい、先ほどと同じ跳ね方と曲線を描いて歯ブラシは再び洗濯機の裏へと落ちてしまったのでした。元通りにした洗濯機を再度動かして、洗濯機の下から覗きながら、奥に隠れている歯ブラシをなんとか取り出したのでしたが、さすがに3回目は慎重に歯ブラシをコップに挿してから急いで部屋を出ました。一瞬嫌な予感が走りましたが、これが悪夢の1日の始まりになるとはまったく予想もできませんでした。

この日は午後から出張先で会議があるため、車で移動しているとルームミラーの横に吸盤でつけてある変な飾りが吸盤の差込口からポトリと落ちたのでした。朝の出来事が頭の中をよぎり、今度ははっきりとした嫌な予感が湧き上がってきました。これはきっと何かがある。そう思いながら車を運転していると高速道路の渋滞表示が出てきました。高速道路に入る前には渋滞5キロだった表示が「渋滞11キロ通過に2時間以上」に変わっていました。嫌な予感が当たりました。このまま高速道路を使っていては出張先の会議に間に合いそうにありません。でも高速を下りれば時間に余裕があるので十分間に合いそうだと思って、ICを下りて一般道を出てみると一般道も車の列です。別の道を行こうとしても普通の道は渋滞で、まともなルートでは行けそうもないのです。日差しが強く車内の温度が上がるにつれて、頭に血が昇っていくのがわかりました。季節外れですが、エアコンのスイッチをいれてできるだけ冷静さを保とう努めました。こうなったらカーナビを頼りに空いている道を探しながら車を走らせましたが、どんどん会議の時間が迫ってきます。予定ではゆっくりランチを食べるはずでしたが、それどころではありませんでした。

ここで次のアクシデントが発生しました。遅刻するかも知れないので、携帯電話で連絡しようと鞄の中を探してみると肝心の携帯がないのです。胸のポケット、スーツの中、コートの中、信号待ちをするたびに探してみるのですが、みつかりません。焦っていたので部屋に置き忘れてしまったようです。これで簡単に連絡する方法もなくなってしまいました。しかも最近は携帯電話に頼っていたため、連絡先の電話番号も定かでありません。もう会議の時間までに現地に辿りつくしか方法がなくなってしまいました。朝の歯ブラシの一件から状況は好転するどころかますます悪くなっていきました。まるで蟻地獄のようなアクシデントスパイラルに陥ってしまったようでした。歯ブラシが2回落ちた段階でこの事態が予測できていたら、どんなに幸せだったのか。身の危険を予兆で知らされてもらいながら対処できないことを大いに悔やみました。そう思っている間も時間は刻々と過ぎてゆき、会議に遅刻することだけははっきりしてきました。

混乱している頭の中で最後の知恵を搾り出した結論は、車を駅の近くの駐車場に入れて電車で目的地までたどり着くということでした。結局、コインパーキングに車を入れ、ホームの階段を駆け上がり、なんとか電車に乗り込み会議に滑り込みましたが、席についた時には脇の下には汗が滲み、背中にはシャツが貼りついていました。この時ほど途中の自販機で買ったペットボトルのお茶がオアシスの水のように感じられたことはありませんでした。トラブルと時間に追われ、大袈裟に言えば、映画「ダイハード」の主人公になった気分でしたが、空腹に耐えながらも会議は無事終わり、その後はなんのトラブルに遭うこともなく平穏な時間が過ぎていきました。やっぱり予兆というかシックスセンスというか、人間には不思議な力があるということが実感できた1日でした。

部屋に戻り、テーブルの上に置き忘れたはずの携帯電話を確認しようとすると携帯電話がないのです。この安息の場に戻ってきて、ジョットコースターストーリーの主人公に抜擢されたようです。部屋にあるのは小さなテーブルですから、どこにも隠れるような場所はありません。それでも、万が一のことがあるので、ティッシュの箱の中も探しました。テーブルの下、布団の中も探しました。改めて鞄の中も調べてみました。でも、見つからないのです。ここへきて事態は最悪の状況を迎えてしまいました。当然ながら、既に外は星空です。頭の中はほとんどパニック状態でした。予知能力でもあれば別ですが、あの歯ブラシが跳ねたことから、この携帯電話消失につながるとは誰が予想できたでしょうか。

「歯ブラシ」・・・。この時、ほとんど機能を果たしてなかった頭の中に何かが閃きました。急いで洗面台に向かうと洗濯機の近くにあるカラーボックスの上にそれは置いてありました。正にラビリンスからの脱出です。朝、歯ブラシを取るために洗濯機の下を覗こうとした時、胸のポケットに入っていた携帯電話が落ちそうになったので、何気なくカラーボックスの上に置いたのでした。朝、急いで出かけてしまったので、すっかりそのことを忘れていたのでした。携帯電話を手に取りすぐに受信メールを確認してみると、1件メールが入っていました。
05/03/26 07:16  
件名 Re:おはよ   私も眠い
メールを読んだ途端、全身に疲労感が駆け巡り、忘れていた睡魔が一気に押し寄せてきました。気分はジャック・バウアーでした。

追伸、すべてはこの写真の現場から始まったのですが、「GUM」は歯垢よりも思考力を落とす効き目があるみたいです。

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